vol3.名前で呼ぶ接客

コンサルティング先の社長様と、コンサルティング後に食事をご一緒させて頂く事があります。

 

さすがその地でご活躍の社長様。沢山の「馴染み」のお店を持たれており、どのお店ももう一度行きたい!と思える素晴らしいお店ばかり。
しかし、その後に継続して伺うお店と、その1度きりで終わってしまうお店があるのが事実。

その違いとはなんだろう?をベースに考察してみました。

 

 

『お客様を名前で呼ぼう』

これは頻繁に言われている事ですから、一度は耳にしたり、実践しようと試みた事があるのではないでしょうか?この『お客様を名前で呼ぶ』行為、どのような目的を持って行うのかご存知でしょうか?

 

全ての販促(ならびにツール)は、明確な目的や根拠をもって行わなければ無用の長物。お客様の名前を聞き出すために特典を差し上げて記名頂いたり、カルテを作成したり。少なくない時間やお金を投じて『お客様を名前で呼ぶ』取組をされている企業やお店が増えてきていますが、『お客様を名前で呼ぶ』事そのものは目的ではありません。

 

この『お客様を名前で呼ぶ』本当の目的を考えてみましょう。

 

 

 

「リピーター」の自覚

私がよく利用するホテルや航空会社。いつもさりげなくちょっとしたサービスを頂いたりします。この時、私は「あぁ、私はここのリピーターだ」と(改めて)自覚し、さらに帰属意識を高める事になります。

 

この「リピーターとしての自覚」は人によって様々。過去に1回利用したので、既に自分はリピーターだ。と感じる方もいますし、まだまだ5回位しか利用していないので、リピーターと名乗る程でもないですよ。と考えるお客様もいらっしゃいます。

 

「リピーターとしての自覚」を持っていただく事で、上述の私の例のとおり、お店や企業、サービスに対しての帰属意識が高まります。しかし「リピーターの自覚」、お客様によって基準はバラバラ。この基準を標準化し、「リピーターの自覚」をしっかりもって頂く。

 

これを実現するために「お客様を名前で呼ぶ」のです。

 

 

 

「お名前で呼ぶ」=「公認リピーター」

このように、「お客様を名前で呼ぶ」行為は、自身がこのお店や企業のリピーターなのだ。という事を自覚していただく行為であり、帰属意識を高める目的で行います。

 

このように明確な目的を理解すると、お名前で呼ぶことが難しい場合の対処方法も見えてきます。お客様に「自分はここのリピーターなんだ」と自覚してもらう事ができればよいわけですから、例えば

「3回目以上のリピーター様限定○○」

と発する。3回目ご利用のお客様は「自分はリピーターなんだ」と自覚されます。そして、帰属意識が生まれます。

 

 

 

自社(店)の「リピーターの定義」を発する

「お名前で呼ぶ」事の目的と同様の効果が得られる事、ご理解いただけたでしょうか。

 

無理にお客様から名前を聞き出そうと、高価な顧客管理システムを導入したり、半ば無理やりお客様の名前を聞き出すアンケートをとったり。あの手この手、時間や費用を使う必要はありません。自社(店)が考える「リピーターの定義」を発信すればよいのです。

 

その定義に当てはまったお客様の中に、自然と帰属意識が生まれ強化されていきます。

 

 

 

 


2014/06/26

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