先週の金曜日から今週月曜日まで、沖縄に行ってきました。金曜日と月曜日はお仕事、土日は札幌から(わざわざ)妻を呼んでリフレッシュ!と思ったのですが、あいにくの雨。
ビーチ!というわけにもいかず、沖縄料理と泡盛三昧な週末でした。そんな沖縄から「リピーター」について少々考察してみたいと思います。
沖縄の「リピーター」とは?
私が初めて沖縄を訪れたのは、大学生の頃。サークルの旅行でした。那覇空港近くでレンタカーを借り、名護まで。ホテルの目の前のビーチで泳いで飲んで数日間。びっくりするくらい透明度の高い海に驚愕したのを覚えています。
また、最終日は那覇に1泊し、国際通りで飲み屋さんのハシゴ。異国情緒ただよう那覇の街を堪能しました。という事で、「沖縄=ビーチリゾート&異国情緒」という図式が私の頭の中に出来上がったワケです。
さて、(例えば)滞在した沖縄のホテル。リピーターを創るぞ!という事で、私に対して『来年の夏も』とアピールしてしまう事が多いのですが、その発想、ちょっと待った!です。
「リピーター創り」の危険な発想
「今年の夏、ビーチリゾートとして来られたお客様に、来年の夏もお越しいただく」
このリピーター創りの発想、ちょっと危険です。これは私の理論で言うところの「同経験のリピーター」。<同じ商品を同じ目的のために購入頂くリピーター>の事です。
この「同経験のリピーター」を創る事、実はビジネスにおいて一番難易度が高い行為なのです。なぜなら、「同経験のリピーター」になって頂く最大の要因は<唯一無二であり続ける事>だから。
沖縄以外にもビーチリゾートはたくさんあります。その沢山のライバルと比較された時、沖縄が<唯一無二>であり続けなければならないのです。となると、他にはない何かを生み出すために、常に投資が必要となります。研究開発に数百億円を投じる事ができる大企業であればよいのですが、中小企業がこの「同経験のリピーター」を創り続ける事は至難のわざ。
では、どこに目を向けた「リピーター創り」を行うとよいのでしょうか。
「同経験のリピーター」ではなく「異経験のリピーター」
リピーター創りと聞くと、どうしても「同経験のリピーター」を創りたくなるものです。しかし、上述のとおり「同経験のリピーター」を創るのは至難の業。
という事で、目を向けていただきたいのが「異経験のリピーター」です。例えば、ということで沖縄の話に戻しましょう。大学生の頃、「ビーチリゾートとしての沖縄」に大満足した私。その後社会人になっても、数年に1回は家族や友人と夏に沖縄に行きました。
そんなある日、帰路につく那覇空港で1枚のポスターを目にしたのです。
そのポスターは、サンタクロースの帽子をかぶったカップルが、半袖でゴルフをしている写真に「冬!ゴルフ!沖縄」という(曖昧な記憶ですが)コピーが踊っていました。それを見た私は
『沖縄は冬でも半袖でゴルフできるんだぁ。へー』
と感動しました。当時ゴルフにハマっていた私は、冬、兵庫県や千葉県のゴルフ場に4枚も5枚も服を着込んで出かけ、寒い寒いとこぼしながらゴルフをしていたのです。
コレを見た私は、職場の仲間やゴルフ仲間を誘って、翌年の冬沖縄にゴルフをしに出かけました。
これが「異経験のリピーター」です。
「異経験のリピーター」に目を向ける
友達や家族とビーチリゾートとしての沖縄に出かける。コレを繰り返すのが「同経験のリピーター」。友達や家族とビーチリゾートとして出かけた沖縄に、冬に職場の仲間でゴルフをしに出かける。これが「異経験のリピーター」。
この「異経験のリピーター」に目を向けると、リピーター創りの幅や可能性はグッと広がります。よく、メーカー様や高額耐久財を扱う経営者さまから
「うちはリピーターって創れないんですよ・・・」
というお話しを頂くことがあるのですが、これは「同経験のリピーター」しか見えていないから。
毎年お墓を買うお客様(同経験のリピーター)は残念ながら殆どいらっしゃらない筈です。しかし、お墓を買った後『遠く離れているので清掃をお願いしたい』とお考えの方は沢山いらっしゃる筈です。
このように「異経験のリピーター」に目を向けてみては如何でしょうか。
「異経験のリピーター」を発見する切り口とは
「異経験のリピーター」を発見するためには、色々な切り口でその商品やサービスを見てみる事が重要です。以下に幾つかの切り口を挙げさせて頂きます。
・「法人向け」「個人向け」
・「自分に」「他人に」
・「仕事で」「プライベートで」
・「入手」「維持」
・「その場で」「家で」
・「夏」「冬」
・「昼」「夜」
・「来る」「行く」
ぜひ、皆様のビジネスに「異経験のリピーター」を!