vol.47カンフル

今年度、凄い勢いでオーダーを頂いている講演・研修・コンサルティングのテーマ。それが 『プレミアム商品券』にまつわるアレコレです。プレミアム商品券とは、都道府県や市町村が発行する「プレミアム付き」の商品券。その地域で使用する事を前提とした商品券で、例えば1万円で1万1千円分の商品券が購入できる、というものです。

市町村窓口や商工会議所、商工会を窓口として販売された商品券は、使用されると再び商工事業者から窓口に持ち込まれ、現金化されます。払い戻し差額の1,000円は交付金で賄われます。

 

カンフル剤の盲点は『一過性』

この『プレミアム商品券』事業、郊外に流れたお客様を地域消費に向かわせる、思い切った消費マインドを喚起する、というカンフル剤として相当な効果をもたらします。しかし、事前策無くこの事業を行ってしまうと、商品券を消費し終わったお客様が再び郊外店に流れたり、消費マインドが収縮してしまう等、本来の「地場消費への回帰」という目的が達成されず、一過性のものに終わってしまう恐れがあります。

では、この『プレミアム商品券』事業を一過性のもので終わらせないために、どんな策が必要となるのでしょうか。様々なリピート策がありますが、本日はそのうちの1つをご紹介しましょう。

 

『プレミアム商品券』で喚起する顧客感情とは

本コラムで何度もお話ししていますが、お客様は【新規】→【転換】→【維持】の3ステップで顧客化されていきます。それぞれの顧客感情特性や対応は別コラムに譲るとして、『プレミアム商品券』はこの3ステップのうち、どの部位に影響するかを考えてみましょう。言うまでもなく、正解は【転換】となります。

【転換】ゾーンのお客様は「モッタイナイ」という感情で動きます。「『プレミアム商品券』を買ったのだから、使わなければモッタイナイ」。この様な感情に突き動かされ、初めて、もしくは久々に貴方の元で消費を行うのです。

前述のとおり、この消費で終わってしまうと一過性の消費になってしまう可能性が高いわけです。そこで、【転換】のダメ押しをします。更にもう一度、「貴方の元で消費を行わなければモッタイナイ!」という感覚を抱いてもらい、リピートを促すのです。

 

 

『プレミアム商品券』でお買い上げ頂くべき商品とは

オススメしたいのが継続性のある商品です。例えば会員サービスの年会費や、定期購入の前払いです。単発で終わってしまう取引ではなく、必ず次に繋がる(必ず再度の接触がある)商品やサービスを提供するのです。

お客様は「お得な商品券なのだから」と少々お財布の紐が緩んだ状態。この機会に!という事で、これらをご案内するのです。そして、必然的に訪れる次の機会を待ちます。次の機会には2度目という安心感も手伝い、お客様の親近感が少し醸成されている筈。その段階で、次の【維持】の手(例えばニュースレターやメールマガジンで継続コンタクトを図ったり)を打つのです。

「この『プレミアム商品券』を使わなきゃモッタイナイ」というだけの動機で訪れたお客様にいきなり【維持】の策を展開することはオススメしません。なぜなら『プレミアム商品券』を消費する事がメインの感情であるお客様には、まだ貴方に対する警戒心が残っているからです。

 

是非、『必然的に次に繋がる』商品を『プレミアム商品券』でお買上頂き、複数回接触してから次の【維持】戦略に移る。この導線を意識してみましょう。

 

 


2015/05/21

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