vol.50会員

先週、Apple社が定額制音楽配信サービス「Apple Music」を開始すると発表しました。月額9.99ドルで約3000万曲の音楽が聞き放題という音楽好きには嬉しいサービスですね。

興味深いのは、Apple社がこのサービス開始の発表をした直後、LINE社やスウェーデンの音楽配信大手スポティファイ社も同様に定額制の音楽配信サービスを開始すると宣言したという現象。一気に音楽配信業界は【定額制サービスの戦国時代】に突入です。

各社がこれ程までに躍起になって「定額制」のお客様獲得を急ぐ理由は何なのでしょう?

 

継続的サービスによって発生する顧客感情

前述の定額制音楽配信サービスは『継続利用』が前提となるサービスです。もちろん、申込み後1ヶ月ですぐサービスを退会する人もいるでしょうが、多くの人が「来月はもっと利用するかもしれないから」等の理由でサービスを継続します。

なーんだ、ズルズルと課金し続けるのが目的か。

と思う方もいらっしゃるかと思いますが、実はこれ以外にも『継続利用』がもたらすメリットというものが存在します。それが、帰属意識

Apple Musicに申し込んだお客様は、当然このサービスを利用して音楽を楽しみます。が、ここで終わらないのがこの手法。次に、「自分はAppleのサービスを利用している」という帰属意識にも似た感情が湧き起り、今後Appleが提供するサービスにただならぬ親近感を覚え、つい利用してしまう。という現象が起こるのです。

iPhoneを使い始めた人が、Windows PCからMacに乗り換える。という現象もまさにコレです。Apple社をはじめとする各社は『継続利用』から帰属意識を発生させ、その他の商品への親近感を醸成するという手法を実現するため、定額制音楽配信サービスの顧客獲得に躍起になるのです。

この<継続利用から帰属意識発生>という手法、貴方のビジネスにも取り入れない手はありませんね。しかし「継続利用してもらう定額制サービスはちょっと敷居が高い」とお考えの方も多いはず。そこで、ご提案したいのが『会員(会費)制』サービスの導入です。これが実は「継続利用」サービスと同様の効果をもたらすのです。

 

『Amazonプライム』に入会した私。その後

Amazon社が提供している『Amazonプライム』という会員サービスをご存知でしょうか。年会費3,990円で日時指定やお急ぎ便等の送料が無料になる『継続利用(会員制)』サービスです。

仕事がらAmazonでよく書籍を購入する私は、「送料が無料になるなら」という事で迷わずAmazonプライムに入会しました。3,990円の年会費はすぐペイできると感じたからです。「いやぁ、よかったよかった」と喜んでいた私ですが、ある日、自分の買い物に変化を感じました。

それまで、書籍しか購入した事がなかったAmazonで、食料品や電化製品を購入していたのです。「せっかく会員になったのだから、どんどん利用しなければ!」という積極的帰属意識が芽生えたというわけですね。是非この原理を利用し、お客様に『貴方のビジネスに対する帰属意識』を抱いて頂きましょう。

店頭やカタログには出せない希少な商品を会員の皆様限定でご提供しています。ご案内用の郵送費のみ年会費として1,000円頂戴できますでしょうか。

たったこれだけの会員制サービスでも効果てきめんです。会員になっているあの会社(お店)で買わなきゃ。お客様はそう思ってくれるのです。

是非とも、メリットのある会員制サービス。ご検討ください。

 

 


2015/06/11

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