vol.43財布

安売り合戦に巻き込まれて大変です。どうすればこの地獄から抜け出す事ができるでしょうか?

よく頂くご質問です。今回のコラムは「安売りから抜け出し、リピーター(ファン)を増やす」ための一石二鳥の考え方をお伝えいたしましょう。

 

 

お客様の財布の「勘定科目」を意識する

貴方が飲食店のオーナーだとしましょう。「安売り合戦」に巻き込まれる経営者は一様に「食事」を「飲食費」として捉えています。つまり、お客様は食事をしに来られているので、お客様の財布の勘定科目(支出項目)は「食費」だ。

こう考えてしまっています。

「食費」は安いに越したことがないので、より安く・より高品質に!という方向に舵を切ってしまい、終わりのない安売り地獄に足を突っ込んでしまうのです。

 

 

「飲食代」は食費であり、交際費であり、仕入れでもある

胃袋を満たす「食費」として捉えると、前述のようにコストパフォーマンスを重視してしまいます。では「交際費(遊興費)」と考えるとどうでしょう?

同窓会や懇親会で飲食店を利用する場合、お客様の財布の勘定科目は「交際費」となります。胃袋を満たすだけの飲食は数百円しか支出したくない!と考えている方が、同窓会なら…と1万円の飲食費を使うのです。

また、私のように人前で話す機会が多い人間は「ネタの仕入れ」として色々なお店に行ったりします。この場合の勘定科目は「仕入れ」になります(会計の側面で見ると、厳密には違いますが)。珍しいお店があると聞くと、そこに1万円を使う事だって平気です。

 

 

複数の「勘定科目」を意識する

飲食店の例でお話ししてきましたが、小売だってサービスだって同じです。製造業だって同じ考え方ができます。

日用品として使うためのものは「消耗品」のお財布から支出されます。贈答品として使うためのものは「交際費」のお財布から支出されます。「消耗品」は安く済ませたいですが、「交際費」は安いという事がメリットになりません。誰だって「安物を贈った」とは思われたくありませんから。

 

『うちは飲食店だからお客様はご飯を食べに来ている(=「食費」として支出している)』

『うちは小売店だからお客様は日用品を買いに来ている(=「消耗品費」として支出している)』

 

という【思い込み】を捨ててみましょう。本日は「交際費」としての支出をしてもらえないか?という部分にフォーカスしましたが、他にも、自分を磨くための「仕入れ」や家族をねぎらうための「福利厚生費」の支出だってある筈です。

 

お金の出どころと動機(「勘定科目」)を複数想定してみると、高単価を維持する事だって可能になります。そして『接待(交際費支出)ならあそこだよね』という切り口でのファンだって獲得できます。

 

是非ご一考ください。

 


2015/04/23

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