売上グラフ

セミナー後によくいただくご質問があります。

「リピーター作りに注力したら、離れていくお客さんが出てきますよね?売上下がっちゃうんじゃないですか?」

という趣旨のもの。

自社が集めるべきお客様をしっかり定め、その人のために事業を行うと、やはり離れていくお客様はいらっしゃいます。その恐怖を考えると、リピーター作りに注力する事を躊躇してします。

そのお気持ちはよく理解できます。

しかし、です。「新規開拓至上主義」を継続していては疲弊していくばかり。では、どうすればよいのか?

今日はそんな悩みに対する「考え方」のアドバイスです。

 

 

 

「顧客リピートによる恩恵」を実感するまでの道のり

企業や店舗において「顧客リピートの恩恵」、つまり売上の下支えや安定した収益を実感できるようになるには、それ相応の時間が必要となります。起業したて数か月でこの実感を得ることは難しいでしょうし、今まで「新規開拓至上主義」でこられた事業者がリピート戦略に切り替えた場合も同様です。

 
リピート戦略への転換を図ると、先ず訪れるのが

一時的な売上の低迷(若しくは減少)

です。

 
これが来ることがわかっているが故に、リピート戦略への重点投資に躊躇してしまう。この気持ちはよく理解できます。しかし、このまま「新規開拓至上主義」では先が見える。どうにかしたい!とお考えの貴方におすすめの方法(考え方)をお伝えしたいと思います。

 

 

事業には2つの顔を持たせる

同じ商品やサービスを取り扱うにしても

・目先の売り上げを作る事業
・リピートにより安定的に収益を上げる事業

 

この2つを同時並行で進めていく。という発想で事業に取り組む事が重要です。あらゆる経営者は(ひとまず)同時に2つの事業を行う必要がある。と言う事もできます。これが、今回提言させて頂く「事業には2つの顔を持たせる」という事です。

 

 

 

キレイごとだけでは事業は成り立たない

法に触れることや、他人に迷惑をかける事は絶対にNGです。しかし、崇高な理念を掲げるだけで売上やリピートが増えるという事は絶対にありません。自分の理想の事業に成長させるため、自分の理念を貫き通すためには「資金(売上)」が必要です。この「資金(売上)」を作るために、時にがむしゃらな営業活動を行わなければなりません。

 

上述した

・目先の売り上げを作る事業
・リピートにより安定的に収益を上げる事業

これが上手く一本の線でつながっている場合はまだ良いですが、今まで「新規開拓至上主義」の営業活動をされてきた場合や、起業まもない頃はそうでない場合の方が多い。

 

そんな場合は
・リピートにより安定的に収益を上げる事業

を成立させるため(させる資産(売上や顧客)を作るため)

・目先の売り上げを作る事業

を行う。

 
このような位置づけで事業を展開してください。カジキを釣るために、先ずは餌のカツオを釣る。そんなイメージです。

 

 

 

とある食品販売企業さまの例

安心安全にトコトンこだわった食材を取り扱うA社さんという企業がありました。A社さんは3年程前に設立された新しい企業。自社の商品に自信のあるA社さんは、

「自社商品や食の安全に興味がある人の会員組織を作る」

という営業戦略をとり、事業をスタートさせました。会員組織を形成し、そこに自社商品を流通させる。理想的なリピート戦略「コミュニティ形成」モデルです。

 

ホームページを整備し、情報発信を積極的に行う事で、会員数は順調に増えましたが、残念な事に資金は底をついてしまう羽目に。そうです、上述の

・目先の売り上げを作る事業

の発想が抜け落ちてしまっていたのです。

 

慌てて、今後は商品を一生懸命に販売し始めました。売上は順調に伸びたのですが、今度は情報発信やコミュニティ運営が手薄になり、コミュニティが機能しなくなり始めました。

「今、販売を一生懸命行っているのは(将来)コミュニティ形成モデルによりリピートからの安定収入を得るための資産作りなのだ」

目先の売り上げを作る事(のみ)に意識が向いてしまい、この発想が抜け落ちてしまったのです。

 

 

カジキを釣る前にカツオを釣る。事業には2つの顔を持たせ、2本の軸を同時並行にて進行させる。という事です。

 
貴方は今カジキを釣っていますか?カツオを釣っていますか?

カジキを釣るためにカツオを釣っているんだ(釣るんだ)!と、しっかり意識してください。

 

 

 


2014/08/07

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