先週の土曜日、友人でもありビジネスパートナーでもある、株式会社日報ステーション代表の中司氏とともに札幌でセミナーを開催しました。
初の北海道上陸という中司氏、セミナー開催の前日(金曜日)から翌日(日曜日)まで、これでもか!と札幌中(+小樽)を食べ歩いて頂きました。
ジンギスカン・海鮮・寿司・ラーメン・ソフトクリーム。
1日5件程(笑)飲食店に行ったのですが、ある事に気づきました。それは、、、
激減した「ポイントカード」実施店
数年前までは、色々なお店で「ポイントカードお作りします」との案内を受けたものですが、最近はめっきり減ってしまった気がします。
私も5年程前、交通系ICカードやおサイフケータイがポイントカードになるというポイントシステムを販売していた事がありましたが、3年程前に販売を終了しています。飲食店に限らず、様々な企業や店舗において、再来店の促進と顧客情報の管理を行う目的のために導入された(であろう)ポイントシステム。
なぜ活用する企業や店舗が激減してしまったのか。
答えは簡単。それは「費用対効果が思わしくない」から。リピートの促進と、顧客情報の管理を行うハズだったツール「ポイントシステム」が残念ながら不発に終わる理由。それは、ポイント(スタンプ)カードが、顧客のどの「リピート要件を満たすのか」をしっかり把握できていないから。これに尽きます
ポイントシステムで刺激すべき顧客感情とは
ポイント(スタンプ)カードは、顧客リピート要件の「モッタイナイ」感情を刺激するツールです。どうせならあの店で買わなきゃ・食べなきゃ「モッタイナイ」という感情ですね。
この「モッタイナイ」という感情が刺激されないポイントシステムは、リピート促進には繋がりません。
来店10回で生ビール1杯無料
というポイントプログラムは、もともとの常連さんからすればラッキーですが、この特典を目当てにこのお店のリピーターになろうというお客様は殆どいない筈です。なぜなら、この取り組みによってお客様に「モッタイナイ」という感情が生まれないからです。
ポイントシステムが生み出す2つの「モッタイナイ」
お客様に「モッタイナイ」という感情を抱いていただくための仕組みを構築するために、先ずはポイントシステムがどの様な「モッタイナイ」を誘発するのか。これを理解しておく必要があります。
ポイントシステムによって生み出される「モッタイナイ」は2種類。
・ポイントが貯まったので使わなければ「モッタイナイ」
・ここまで貯めたので、最後まで貯めなければ「モッタイナイ」
特に後者の「貯めてしまわなければモッタイナイ」が重要となります。
破棄されるカード・保管されるカード
財布の中を整理する際、過去に作成したポイントカードが出てきたとします。お付き合い程度に作ったポイントカードですので、あまりお店の記憶も無い状態。としましょう。
「500ポイント貯まると500円分の金券として使えます」
というそのポイントカード。現在2ポイント貯まっています。さて、このポイントカード。貴方ならどうされますか?
あまり記憶にないお店。残り498ポイントも貯める必要がある。という条件から考えると、このポイントカードが以後活用される確率はかなり低いと言ってもよいでしょう(つまり、破棄される事が多い)。
もう1枚カードが出てきました。こちらもあまり記憶にないお店で作成したものです。前出のポイントカード同様
「500ポイント貯まると500円分の金券として使えます」
という条件。
※本来、現金(若しくはそれに準ずる対価)としての還元は好ましく無いのですが、理解しやすいよう、この例を用いています。
ポイント残高を見ると、現在445ポイント貯まっています。さて、このポイントカードは、どう扱われるでしょうか。ここで重要になるのが前述の「貯めなければモッタイナイ」という感情です。この貯めてしまわなければ「モッタイナイ」という感情が引き金となり、このカードはしっかりと財布に戻され以後活用される事でしょう。
交換のハードルを極限まで下げる
このように、「貯めてしまわなければモッタイナイ」という感情を抱いて頂けるかどうか。これがポイントカード存続に大きな影響を与える事になります。その為にやるべきこと。それは
交換のハードルを極限まで下げる
という事です。つまり、ポイントカードを発行してから何かと交換できるまでの距離を最短に設定する。ポイントカードを作成し、次回には既に交換可能ポイントに達する。というレート設定を行うのです。
ここで注意すべきは「次回ご来店時にプレゼント」という方法ではなく、あくまで「次回来店時に交換可能ポイントに達する」という見せ方をする。という事です。「100万ポイント貯まるとハワイ旅行」等のロングラン策はクレジットカード会社や航空会社にお任せし、われわれ中小企業はあくまで「次回の購入」にフォーカスしなければなりません。
「ここまで貯まっているので、貯めてしまわないとモッタイナイ」
そんなレートの設定を心掛けてください。