過去のスケジュールをボーっと確認していたら、年間のホテル宿泊数が300を超えていました。ビックリです。
ホテルのデスクの中には、たいていアンケート用紙が入っています。
総支配人宛のアレです。
そのアンケート用紙を見るたびにちょっと残念になります。
今回は、リピーター作りに役立つアンケートの取り方をご紹介したいと思います。
アンケート用紙は何のために作成するのか?
お客様の視点で見た商品やサービスを評価していただき、改善点を発見し、更なる満足を得て頂くために努力する。
これがアンケート用紙に求める役割の一般的な見解かと思います。
もちろん、この目的のためにアンケートを実施する事には何の問題もありません。
しかし、アンケート用紙にはもう1つの役割があります。
それは
「売り手」の想いを発信し、理解していただくツール
どうでしょう?イメージできましたか?以下、詳しくご説明します。
「ラーメン屋」と言われた「飲茶屋」
今はもう売却してしまいましたが、5年程前まで、大阪の南堀江という地域で「飲茶」のお店をやっていました。
私の香港好きが高じて、(香港に出張で行く口実が欲しくて)調度品やら装飾品やら家具やらを香港に買いに行き、店内はほぼ全て香港のモノ。そんなこだわりのお店でした。
香港が好きな人に来てもらいたい!そう思って始めたお店なのですが、ある日店内のお客様がお友達に電話をしている声が聞こえました。
「そうそう。今あの南堀江のラーメン屋さんにいるから」
その声を聞いてズッコケそうになりました。
そっかぁ、「香港」というコンセプトが伝わってないなぁ。やはりよっぽど好きな人でない限り、中華系の装飾品は全て同じに見えてしまう。飲茶というカテゴリも中華料理(=ラーメン屋)だと思われてしまう。
そこで、アンケート用紙の出番となったワケです。
配布したアンケート用紙の設問
「当店はオーナーの香港好きが高じ、家具調度品等の全てを香港から輸入しております。南堀江の香港がテーマの当店、お客様は香港に行かれた事がありますか?」
これが設問です。
次に
「お客様がイメージする「香港」についてお聞かせください」
といった感じの設問が続きます。
味や接客について「お伺い」するのではなく、当店は「香港」をイメージしたお店ですよ。という情報を提供するツールとしてアンケートを利用したというワケです。
さて、お客様にどのような変化が訪れたでしょう?
お客様と「香港」についての会話で盛り上がる機会が圧倒的に増えました。
「香港」というキーワードが独り歩きし、香港好きの方や、香港から留学で来ている学生さん達がアチコチから来て下さるようになりました。
そして、誰も「ラーメン屋」と呼ばなくなりました(笑)
アンケートは「吸い上げる」だけのツールではない
住宅や自動車など、お客様にとって高額な出費を伴う買い物以外、商品やお店のコンセプトや、売り手の想いが重要視される事は稀といってもよいでしょう。
そんなにじっくりと見たり聞いたりしてくれないものです。
だからと言って、これがウチのコンセプトです!と押し付けてもお客様は真剣に向き合ってはくれません。
そこで、アンケート用紙の出番なのです。
「あ、そうだったんだ!なるほどねー」
と、自然な流れでコンセプトを理解していただくのに最適なツール。
それが、アンケート用紙なのです。
是非、お試しください。