vol.39数字

今現在、私が最も力を注いでいる「講師ビジネス」。

この「講師ビジネス」も当然「ビジネス」ですから、着実に成長させるためにもリピートオーダーが必要不可欠。魚屋さんやテーマパーク、美容室やソフトウェア開発等、他のビジネスと原理原則は何も変わりません。

ビジネスとは「リピートオーダー」をいかに獲得するか。これに尽きるのです。

 

 

講師ビジネスに特化したリピート戦略は存在するか

 

世の中には沢山の講師が存在するワケですから、毎回違う講師を呼んで色々なジャンルの話を聞きたいと思う中、私の「講師ビジネス」のリピート率は4割以上になります。これは圧倒的な数字と言ってもよいのではないか、と、自分でも思います。

では、なにか特別な「講師ビジネス」に特化した「リピート戦略」があるかと言えば、答えはNo。

今までやってきた、小売や飲食、福祉や製造事業の「リピート戦略」をそのまま使っているに過ぎません。

 

リピートのキモは「記憶に残る事」

 

如何なるビジネスにも共通する「リピーター創出」の基礎中の基礎。それが、記憶に残るという事。講師を探そうと思った時や、誰かから講師の推薦を求められた時、その瞬間真っ先に思い出してもらう事。

これこそが「リピート戦略」の入り口です。

ただここで勘違いしてはイケナイのは、とにかく奇をてらって目立ち、覚えてもらおうという取り組み。これは逆効果になりかねません。

では、「何」を「どう」やって「どのように」記憶に残すのがよいのでしょうか。

 

リピートに繋がる「記憶」と繋がらない「記憶」

 

例えば、スパンコールでキラキラの(ド派手な)衣装を着て講演に行ったらどうなるでしょう。確かにインパクトがあるので、記憶に残る筈です。

あのド派手な人

という記憶。でも、この記憶でリピートに繋がるでしょうか?

第三者が講師の紹介を求めた時、この人の事を思い出すかもしれません。でも、

ド派手な人

という記憶だけでは、残念ながら紹介には結びつかないのです。だって、名前すら思い出してもらえないワケですから。

私が一つ得をしているのが「苗字」。一圓という苗字(本名)はインパクトがありますので、覚えてもらい易い固有名詞です。

私がド派手な衣装を着て講演をしたら、こう覚えてもらえるでしょう。

一圓という苗字のド派手なヤツ。

でも、コレだけでは足りないのです。なぜなら、ド派手な(仮にですよ)一圓という講師という情報を思い出して貰えても、私がどんな講演をするのかが思い出せないからです。推薦を求められた人に「ド派手な一圓という講師」と紹介されたトコロで、オーダーにはつながらないでしょう。

 

数字の記憶は強く、言語化しやすい

 

私は講演中至る所でこんな言葉を使います。

 

「ツールではなく、3ステップのリピーター定着構造をビジネスに取り入れる」

「ビジネス全体の構造を年10%のリピーター増加構造に組み替える」

「安売りで集まるお客様を囲い込むという発想は捨て、100人に1人の顧客を探すのがリピーター定着の王道」

 

講演のタイトルや、プロフィールは当然の事。90分や120分という講演中に、このような言い回しを何度も何度も使います。意図的に。するとどうなるでしょう?

 

「リピーター作りを3ステップで教える講師」

「年10%ずつリピーターを増やす構造を教える講師」

「リピーターを増やすために100人に1人の顧客を探せ!って言っている講師」

 

という文章化された記憶が残ります。文章化された記憶を言語化するのは簡単ですから、他部署や他地域の支店、他社への紹介がし易くなるのです。

ド派手な一圓って講師。よりも断然。これが、リピート率4割の秘訣です。

 

数字というラベルの付いた記憶を

 

「お金持ちになる方法」と「年収1億円になる方法」

「スッキリ痩せるダイエット」と「1ヶ月で5キロ痩せるダイエット」

「いつも混んでいる」と「平日でも2時間待ち」

 

数字表現にはある種の「生々しさ」が付きまといます。この「生々しさ」が「自分事への置換」を容易にするため、人は「自分事」としてしっかり記憶に残そうとするのです。

また、他人にこの情報を伝達する際(クチコミや紹介)にも客観的事実を表す「数字」という表現が最も便利になります。なぜなら、数字以外の表現を使用した場合、相手に同じイメージを持ってもらう事が困難な事を、私達は無意識に理解しているからです。

例えば「美味しい」「楽しい」という形容詞や、「キラキラ」「ワクワク」といった副詞。これはあくまで発する側の主観であり、受け取る側が同じイメージを持つことは困難。「猫」「犬」という普通名詞だって同様。自分の頭にあるものを相手の頭にそっくりそのまま投影できない単語なのです。

では、数字表現はどうでしょう。「1メートル」と言えば「1メートル」。「5本」と言えば「5本」。「1年」と言えば「1年」。自分の頭の中にあるイメージと全く同じモノを、相手の頭に思い描かせる事が可能になるのです。だから人は、数字表現を伝達し易い(クチコミし易い)文章だとして、しっかり記憶に残しておこうとするのです。

 

見た目のインパクトや楽々簡単な形容詞表現に逃げず、是非とも数字表現を心掛けてみましょう。

 

 

 

 

 

 

 


2015/03/05

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