先日、電動歯ブラシを買いに奥さんと某家電量販店に出かけました。が、電動歯ブラシコーナーに行く途中、思わず立ち止まったのがappleのブース。私はタブレットとしてiPadminiを使用しているのですが、iPadmini3を手に取り、一生懸命見ていました。まだ現役で今のiPadminiが使えるにもかかわらず。
人の幸福感は長く続かない
「ヘドニック・トレッドミル現象」という言葉をご存知でしょうか?人間の「慣れ」にまつわる心理学用語です。学生から社会人になり、初任給を貰った時のことを覚えていますか?学生の頃貰っていたアルバイトの給料と比べると、格段に収入が増え
「わぉ!20万円も振り込まれている!」
なんて思った人が多かった筈です。しかし、1年経ち2年経つと
「給料が全然上がらないよ!」
という感情に変わってきます。このように、最初の幸福感は長期間持続せず「慣れ」が生じてしまう。という現象の事です。私のiPadの件も同じですね。今使っているiPadを買った時はウキウキして1日中触っていたにも関わらず、今は次世代機に目移り。
次なる幸福感を準備する
商品購入時の幸福感だけではありません。お店に満足した際の幸福感も同様です。
「いやぁ、このお店最高だね」
そう思って何度か通っているうちに、それが「当たり前」になってしまいます。そして、更なる幸福感を求め始めるのですが、そのお店に次なる幸福感が見いだせない場合は、他店に目移りしてしまうのです。
この「当たり前」→「他店への目移り」を防ぐため、常に「次なる幸福感」を提供する準備を行う事。これが必須なのですが、この「次なる幸福感」はどのように準備すればよいのでしょうか?
「深掘り」「横展開」よりも「ズラシ」
やってしまいがちなのが「深掘り」や「横展開」。先の給料の件で言うならば、22万円、24万円と昇給していくという考えが「深掘り」、役職を与えるというのが「横展開」です。魚が美味しいお店なら、もっと美味しい魚を提供するという考えが「深掘り」で、飲み放題メニューを加えるという事が「横展開」にあたります。
しかし、お分かりの通り「深掘り」には限界がありますし、「横展開」を繰り返すと魅力(そこでなければならないというロイヤリティ)が減退してしまいます。そこで「ズラシ」という手法を用いるのです。
魚が美味しい人気店、このお店は地場の新鮮な魚を出す(=魚が美味しい)事がウリのお店だとしましょう。その場合の「ズラシ」とは、(例えば)地場の新鮮な野菜を提供する。という事です。
つまり、お店の「ウリ・特性・価値」を軸にしたうえで、別の角度からアプローチする。このお店でいえば、「地場の新鮮な食材」という軸を用いるわけです。
お客様の「更なる幸福感」を満たすため、自社(商品)の「ウリ・特性・価値」を正しく認識し、それを軸にした多角的なアプローチをし続ける事。軸は絶対にブラさない事。
貴方の「軸」。
見えていますか?