vol.33商品の二面性

ここ最近立て続けに、同じお悩みをお持ちの経営者様へのコンサルティングを実施させて頂きました。そのお悩みとは

「安売り合戦から抜け出せない」

というもの。

 

本日は

「リピーターを増やしながら安売り競争から抜け出したい!」

とお考えの貴方に役立つ情報をお届けいたします。

 

 

商品が持つ「実用性」「嗜好性」の2面を理解する

あらゆる商品には「実用の側面」「嗜好の側面」が存在します。

 
例えば時計なら

時間を知りたい、計りたいというのが「実用の側面」。ファッションアイテムとして使いたい、宝飾品として保有したいというのが「嗜好の側面」という事になります。

飲食店なら

お腹いっぱいになりたいというのが「実用の側面」。お気に入りのワインを楽しみに行くというのが「嗜好の側面」ですね。

 
如何でしょう?なんとなくご理解いただけたでしょうか。

 

 

安売り競争に突入してしまう方の共通点

 
それは「実用の側面」でしか商品を売っていない。という事です。

 
「実用」というくらいですから、お客様にはハッキリとした目的があり、その商品が必要となるワケです。ハッキリとした「目的がある」という事は当該商品の費用対効果が計測しやすい。

 

前述の時計であれば

「時間がわかればよいので、、、50万円もする時計は必要ないかな」

レストランであれば

「ランチに1万円はちょっと、、、」

という感じです。

 

この様にお客様の「実用」を満たす商品は「費用対効果」で判断されるため、どんどん低価格化が進みます

「実用の側面」しか持っていないビジネスは危険です。

 

 

「嗜好の側面」に目を向けてみる

 
安売りを止めたい!と思っても、前述のとおり費用対効果が重要視される「実用の側面」を持つ商品の値段を上げるワケにはいきません。間違いなくお客様が離れていきます。そこで必要になるのが「嗜好の側面」で販売する。という考え方です。

 
前述した宝飾品としての時計やお気に入りのワイン等、

「嗜好の側面」を持つ商品=高級品

というイメージを抱いてしまいがちですが、そんな事はありません。

 

どんな商品にでも「嗜好の側面」を持たせる事ができます。先日発売された東京駅100周年記念のSUICAは<限定品>という嗜好ですね。

 

「実用の側面」で販売している商品の値段を上げるのではなく、新たに「嗜好の側面」で商品を販売する。これが安売り競争脱却の手法です。

また「嗜好の側面」のお客様とは<価値観>を共有できますから、リピーター・ファンになってくださる確率が格段に上がります。

という事で是非、「実用の側面」で販売している商品の「嗜好の側面」を発見してみて下さい。

 

 
(おまけ)

ビジネスは「実用」と「嗜好」の2階建て

 
「嗜好」で売ろうと思った場合、当然ながら「実用」で売る場合と比べマーケットが狭くなったり、期間が限定されたりします。ですから、いきなり「嗜好の側面」を中心としたビジネスを行う事はオススメしません。狭く限定的なマーケットでいきなりビジネスを始めると、顧客獲得が非常に難しい。

スタートアップでいきなり頓挫。という事になりかねません。

 
という事で、先ずは「実用の側面」でギリギリの利益を得ながらお客様を集めます。そのお客様の中から自社が提供できる「嗜好の側面」にマッチするお客様を発見し、顧客化する。これこそが理想的なビジネスの成長です。

 
こだわりのワインをご紹介したいのは分かります。しかし、先ずはランチや宴会でお客様(嗜好のお客様候補)を集めてください。

その中に、価値を理解してくださる「嗜好のお客様」が居るのです。


2015/01/22

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